おかえり


ときはやっと,おうちのしゃりょうきちにかえってきました。

(・○・)おそくなっちゃったなあ・・・みんなおこってないかなあ・・・

おうちにかえることができてうれしいのと,
ふあんとでいっぱいだったとき。
そんなときがしゃりょうきちにかえってくると,
だいすきなおじさんも,あさひくんやまっくすくんも,
くちぐちに
「おかえり,ときくん。」
「よるはさむかっただろう,ゆっくりやすんでよ。」
と,やさしくこえをかけてくれました。
ときは,

(・○・)よかったあ・・・

と,みんなのあたたかさにつつまれて,あんしんしました。

けれど。

ときは,ずっとずっと,きにかかっていることがありました。

そのよる。

せいびのおじさんは,ときがさびしがっていないかと,
くらいしゃりょうきちにやってきました。
すると,すすりなくこえがきこえてきました。
「どうしたんだい?」
やさしいこえをきいたときは,それがだいすきなおじさんだと
きづきました。
しんぱいそうにときのそばにきてくれたおじさんに,
ときは,なきごえであやまりはじめました。

(・○・)「ごめんなさあい・・・ぼく・・・ぼく・・・」

さいしょはびっくりしたおじさんも,ときにやさしくききました。

「いったいどうしたんだい?けががいたいのかい?」

(・○・)「ちがうの…ぼく…ぼく,あんぜんしんわをホウカイさせちゃった…う,うわあああん…」

とうとう,ときはおおごえでなきだしてしまいました。

おじさんは,ときをそっとなでながら,いいました。

「なかないでいいんだよ。いいたいやつには,いわせてやればいいんだ。」

(・○・)「でも…ぼくがだっせんしたから…ぼくのせいでしんかんせんのみんなが…」

「しんぱいいらないよ。みんなわかってくれているさ。
ときは,あんぜんしんわをホウカイさせたんじゃない,ってね。」

(・○・)「え…」

ときは,なみだでぐしょぐしょのめで,おじさんをみあげました。
おじさんは,やさしくほほえんでいました。

「ときは,たしかにだっせんした。だけど,こんなにきずだらけになっても,
おきゃくさんにはだれにもけがをさせなかったじゃないか。
うんてんしゅさん,しゃしょうさん,せんろくん,こうかきょうくん…
みんなといっしょにがんばったじゃないか。むねをはっていいんだよ。
”ぼく,みんなとちからをあわせてがんばったよ。おきゃくさんにはけがさせなかったよ”
ってね。」

(・○・)「お,おじさああんん…」

なきじゃくるとき。
そんなときを,おじさんは,やさしくなでてあげました。
なんどもなんども。
ときがなきつかれてねむるまで,
いとおしそうになでてあげました。
おじさんのめからも,いつのまにか,なみだがこぼれてとまりませんでした。





「巡洋戦艦雪風」の【雪風】様より頂きました。

ありがとうございます。



モドル